「経済学・行動ファイナンス理論の1つであるプロスペクト理論」

まずFXで勝つ(負けない)方法について重要なことをお話しします。

「ほとんどの投資家は相場において負けるDNAを生まれながらに持っている」

つまりこれはどういうことかと言いますと、FXを普通に長くやると自然と負けるのです。
「なんだそれは!自然と負ける…だと!そんなバカな話は聞いたことがない!」
と言われると思います。特にこれからFXを始めるという方はそう感じると思います。
ただFXで勝っている人は10%もいないというのが実勢です。90%以上の人が残念ながら負け組なのです。
そして負け組みの人は自然とFXから遠ざかり、つまり損をしていつか辞めてしまいます。

相場で自ら「負けたい」と思っている投資家はもちろん存在しません。しかし、なぜか投資家は自ら負けようとする心理状態に陥りやすく、相場で負けるための行動を選択する習性があると言われています。
陥りやすいというよりも、大多数の人が元来持っている本能に近い思考が、相場で自然と負けようとするものだと言った方が正しいのかもしれません。

それでは「行動ファイナンス理論」の1つである「プロスペクト理論」の、問題と例を使って、その習性を説明してみたいと思います。
「行動ファイナンス理論」とは新しい経済学の注目を集めている新分野です。
「行動ファイナンス理論」の分析は、マーケットの意思決定や人々の選択は、人々の似たようなバイアスによって引き起こされると考えて います。

「プロスペクト理論」とは、2002年にノーベル経済学賞を受賞した行動経済学の立役者、ダニエル・カーネマンと同僚のエイモス・トベルスキーによって提唱されたリスクを伴う決定がどのように行われるかについての経済学に心理学を取り入れた新しい理論です。
主旨は次の2つです。

(1)人は、基準値よりプラスの領域では危機回避的になり、基準値よりマイナスの領域では、危険追求的になるというものである。
また、プラス、マイナスの絶対値が大きくなるほどその傾向が強まる。

(2)人は、それが同額であれば、基準値よりプラスであった満足度より、マイナスであった悔しさの方が大きい。

例えば、以下の二つの質問について考えてみましょう。

* 質問1:あなたの目の前に、以下の二つの選択肢が提示されたものとする。

1. 選択肢A:100万円が無条件で手に入る。
2. 選択肢B:コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない。

* 質問2:あなたは100万円の負債を抱えているものとする。
そのとき、同様に以下の二つの選択肢が提示されたものとする。

1. 選択肢A:そのまま100万円を支払う。
2. 選択肢B:コインを投げ、表が出たら支払いが全額免除されるが、裏が出たら、支払額が200万円に増額される。

質問1は、どちらの選択肢も手に入る金額の期待値は100万円と同額です。
にもかかわらず、一般的には、堅実性の高い「選択肢A」を選ぶ人の方が圧倒的に多いとされています。

質問2も両者の期待値は-100万円と同額です。
安易に考えれば、質問1で「選択肢A」を選んだ人ならば、質問2でも堅実的な「選択肢A」を選ぶだろうと推測されます。
しかし、質問1で「選択肢A」を選んだほぼすべての者が、質問2ではギャンブル性の高い「選択肢B」を選ぶことが実証されています。

この一連の結果が意味することは、人間は目の前に利益があると利益が手に入らないというリスクの回避を優先し、損失を目の前にすると損失そのものを回避しようとする傾向が強いということです。

質問1の場合は、50%の確率で何も手に入らないというリスクを回避し、100%の確率で確実に100万円を手に入れようとしていると考えられます。
また、質問2の場合は、100%の確率で確実に100万円を支払うという損失を回避し、50%の確率で支払いを免除されようとしていると考えられます。

なぜそうなるかと言えば、人は負けるのが嫌いだからです。当たり前のことですね。

負けず嫌いは勉強やスポーツの世界では褒められても、投資の世界では時として非常に危険なものとなります。小さな負けを認めないと、結局大きな負けを背負い込むことになります。アゲィンスト(逆行)のポジションを持ち続け、破産した投資家は枚挙にいとまがありません。損をしたいくない為に過大なリスクを取ることは投資家として最もしてはいけないことです。ただ投資家も生身の人間ですから、損が現実化することを嫌うあまり(恐れるあまり)、頭では分かっていながら誰もがリスクテイカーになってしまう心理状態に陥ってしまうのです。

そうです! つまりこれが損大利小になってしまう原理なのです。

相場で利益を追求する場合は「期待値が高いもの(リターンが大きいもの)」を選ぶべきでしょう。
そして、リスクを抱えている場合は「期待値が低いもの(リスクが小さいもの)」を選ぶのが正しいのです。

それを選び続けることにより、長期的にはリターンが大きく、同時にリスクの小さい投資結果を得られるのです。

プロスペクト理論とは、このような心理的傾向を考慮した意思決定論を指します。

プロスペクト理論の示すように人間が持っている本能のままにFX投資をすると、「利益は小さく、損は大きく」に自然となってしまうのです。
つまり損をする事に対する恐怖が大きいため、以下のような投資行動になり易いのです。

* 買って少し上昇した。利益は少しだけど下がると怖いのでまずは利益確定をさせよう。
* 買って少し下げた。損はまだ少ない。少しでも損をするのは気分的にも嫌だし、ここから上げるかもしれないので損切りはしないで待ってみよう。
* 買ってかなり下げた、損はかなり大きい。しかし、大損を確定させるのは悔しいし、嫌だから、もう少し待ってみよう。

このようなパターンは多くの方が思い当たるのではないでしょうか?
このようにFXに限らず相場とは利益は小さくなり易く、損は大きくなり易い傾向があります。
このことをはっきりと自覚している人は非常に少ないのです。
この流れを続ければ運用資産は確実に減り続けていきます。
つまり投資家の本能や習性のままにFXを行っていけば、利小損大の流れを知らず知らずのうちに続けていくことになるのです。
つまり長くやればやるほど損が増えてしまうのです。
そして最後は多かれ少なかれ損をして、FXから撤退するというのが残念ながらよくあるパターンなのです。

FXをコンスタントにやって1年間続く人のほうが少ないと言われています。